大学卒業後の進路に母校の職員を目指すことを考える人もいますよね。しかし大学職員について調べて、「やめとけ」という声が多いことに驚きませんか。
大学職員は数ある職業の中でも非常に高年収で安定した環境が売りです。
ホワイトそうに見えるのになぜ「やめとけ」と言われるのか気になりますよね。
本記事では「大学職員はやめとけ」と言われる理由を、メリットや向いている人などの特徴にも触れながら解説します。
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大学職員とは
大学職員とは、全国の大学で学校運営や教員や学生をサポートに携わる職員です。
大学に行った人であれば、レポートの提出・サークル関係のサポート・図書館の利用など様々な場面でお世話になったことがあるでしょう。
実際大学職員が行う業務は多岐に渡っており、学生への対応・入試の運営・高校などへの広報活動・学園祭の準備や運営の支援などが挙げられます。
ただし多くの職員は各部署で事務作業を行うのが一般的です。
なお大学職員は学校法人としての大学に雇用されています。給料も学費などを元手にした大学の運営資金から支給される形です。
国立大学職員と私立大学職員の違いは
同じ大学職員でも国立大学と私立大学によって若干異なります。
まず国立大学の職員は国立大学法人に雇われた立場で、全国にある国立大学で働きます。みなし公務員でもあるため、待遇も国家公務員に準じます。
一方私立大学職員は民間の学校法人に雇用された存在です。
民間企業の会社員と同じ立場で、給料も国立大学職員より非常に高めに設定されています。
「やばい」は本当?大学職員はやめとけと言われる7つの理由
大学職員と聞くと「決められた事務作業をしながらお金が貰える職業」というイメージがありますよね。
一方で「やめとけ」「やばい」といった声も聞いたことはありませんか。
大学職員がネガティブに言われる理由は以下の7点です。
- 希望する仕事ができるわけではないから
- 年功序列だから
- 上司や教員との人間関係で悩む場合があるから
- 個人の活躍は評価されにくいから
- 新しいことに挑戦しにくいから
- 少子化で大学業界がオワコンだから
- 自己成長が大変だから
希望する仕事ができるわけではないから
まず大学職員として就職しても希望した仕事ができるわけではありません。
大学は基本的に組織が非常に大きい分、配属される部署も様々です。
具体的には研究をサポートする教務課や、学生生活を支援する学生課などが挙げられます。他にも財務課・総務課・広報課・経営関係・大学病院などと幅広いです。
部署を多く抱えているため、入職時点での能力や適性によって自分がイメージしていなかった部署に移ることもよくあります。
特に希望の部署と配属部署が異なる場合、モチベーションが下がりがちです。
自分の希望する部署に配属できるとは限らないため、「やめとけ」と言われることがあります。
年功序列だから
また年功序列な組織体質も理由の1つです。大学職員は伝統的な企業や役所と同じく、勤続年数に応じて給料が昇給します。
一定の年数に達した時点で昇任試験を受けて合格すれば、課長や部長などに就任できる点も同じです。
一方で先輩ほど立場が重い風潮があるため、なかなか意見を言えない時もあります。
特に上司が高い能力を持っていない場合や、仕事を部下に任せきりにしている場合、苛立ちや妬みさえ感じるでしょう。
上司や教員との人間関係で悩む場合があるから
上司や教員との板挟みに悩むのも大学職員の悩ましい点です。
大学職員は年功序列である分、上下関係も厳しいため、上司の命令や指示は守らなければいけません。
一方で教員のサポートも重要な業務の1つであるため、上司と教員が対立した際に板挟みで苦しみます。
自分が立つべきスタンスが見出せないため、ストレスが溜まって嫌な思いをすることも少なくありません。
大学職員は生真面目な人が多い傾向もあるため、業務に忠実であろうとするほど板挟みに苦しむでしょう。
メンタルを病んで休職や退職を迫られることもあります。
個人の活躍は評価されにくいから
個人の活躍が評価されにくいのも、大学職員に対するネガティブな見方の原因です。
大学内の各部署は組織単位で動く傾向が非常に強いため、たとえ個人で大きな実績を上げてもあまり評価されません。
また年功序列の傾向が強いため、言われたことさえ無難にこなしていれば一定のタイミングで昇給します。
民間企業と異なり個人で活躍しても目立たないため、やりがいを感じにくいケースも多いです。
新しいことに挑戦しにくいから
大学は新しいことに挑戦しにくい傾向もあります。
大学は教育機関であるとともに1つの事業体でもあるため、何よりも質の高い教育の提供と安定経営による組織の存続が最優先事項です。
一方新しいことを始める場合、先行きも分からないためにリスクも伴います。
下手をすれば大学自体の存続にも関わるでしょう。なかなか簡単に新規分野に踏み出せないため、業務で刺激も感じにくいです。
ぬるま湯に浸かっている気分で仕事するため、刺激を欲して辞めたくなるケースもあります。
少子化で大学業界がオワコンだから
大学業界自体の将来性にリスクがあるのも「やめとけ」と言われがちな理由です。
昨今では少子化の影響で入学する学生が減ってきています。
大学を運営する際、学生が納める学費が最大の収入源です。しかし入学者が減ると学費収入も下がるため、大学の存続に関わります。
国公立大学の統廃合や経営基盤の弱い私立大学の廃学が報道されるほどです。
少子化については社会全体で抜本的な解決策が見出せていません。
今の状態が続くと大学業界も先細りし、勤務先の大学自体がなるリスクにも直面するでしょう。
自己成長が大変だから
最後に大学職員は自己成長が大変な職業です。職員の業務は単調な事務仕事が大きな割合を占めます。
業務や大学内の規則に慣れてしまえば、誰でもできる仕事です。
単調な仕事が続く上に大学独特の規則を守る立場でもあるため、身に着くスキルや知識も民間企業では役に立ちません。
大学を退職して民間企業に転職する際の苦労も大きいでしょう。
大学職員を辞めた方の退職理由を4つ紹介
大学職員を辞めた人が退職した理由も、大学職員が目指すべき職業ではないかを確認する上で役立ちます。
大学職員の退職理由で多いのが以下の4つです。
大学職員とは別の仕事がしたかったから
最初に「大学職員とは別の仕事がしたかったから」というものが挙げられます。
大学内での仕事があまりにも単純作業ばかりで、成長を感じられないことが主な要因です。
加えて無理に資格を取得したり新しいスキルを身に着けたりする努力をしなくても、勤続年数で給料が上がります。
特に向上心が高い人や努力家タイプの人にとっては耐え難い環境です。
努力が成果やキャリアに反映され、成長を喜べる職場に行きたいと考え転職する人もよくいます。
単純作業ばかりで面白みがないから
また単純作業ばかりで面白みを感じられない点も退職理由に多いです。
大学職員は慣れさえすれば誰にでもできる作業にばかり従事します。
同時に大学側も経営を維持するために、わざわざリスクの伴う新規分野の開拓はなかなか行いません。
大学で働いている側からするとなかなか普段と異なった刺激を得られないため、次第に飽きを感じて辞めたくなりがちです。
休日が意外と少ないから
さらに休日が少ないことを理由に辞める人もいます。
大学職員は後で見るようにホワイトさが目立つ職場ではあるものの、休日が意外とない一面もあるためです。
特に入試や学生の卒業・入学が続く1~4月は大学職員も多忙を極めます。
入試の運営管理・卒業式や入学式の準備・年度の変更に伴う作業などやるべきことは多いです。忙しさのあまり、長時間残業や休日出勤も求められます。
他にも経営の厳しい大学では、人員も必要最低限です。ごく限られた人員で仕事を回すことを迫られるため、休日も多くありません。
疲れやストレスを解消する機会がないため、退職する人もいます。
人間関係で悩んだから
人間関係の悩みで退職する人も多いです。大学も大きな組織である以上、職員にも様々なタイプの人がいます。
自分と相性の悪い同僚職員が同じ部署にいることも多いです。性格が合わない職員と一緒に働いていると、多少なりともストレスが溜まります。
また上司にも責任をなすり付けたり手柄を横取りしたりする人がいる点も辞めるきっかけにありがちです。
大学は不祥事や自己退職がない限りは人員に変化がないため、長い間同じ上司の下で働くことを苦痛に思うこともあります。
大学職員の持つ5つのメリット
大学職員には「やめとけ」とされる理由や退職に繋がる理由があるものの、メリットも様々です。
大学職員のメリットに以下の5つがあります。
勤続年数に応じて高年収を得られる
まず勤続年数に応じて高年収が得られる点です。大学組織は原則年功序列であるため、勤め続けた年数が長いほど年収も上昇します。
大学職員の年収は国立大学でも600万円近くです。私立大学は国立大学よりも高い傾向にあり、早稲田や慶応などブランド力の高いところであれば1,000万を超える人もいます。
業務内容も単純作業が多いため、仕事の単調さが苦痛でなければ安定した生活を送れるでしょう。
福利厚生が充実している
また大学職員は福利厚生が充実している点も魅力です。
年功序列的な賃金体系で昇給や昇進できることに加え、各種手当・社会保険・賞与(ボーナス)なども完備しています。
特にボーナスは年額4ヶ月分のところが非常に多く、中には5~6ヶ月分が支給されるところまであるほどです。退職金も最低で数百万円台、多い人で数千万円貰えます。
ちなみに心身の不調が理由で休職した場合も給与が発生するのも大きなメリットです。
繁忙期以外は定時に帰れる
繁忙期以外であれば定時に帰れる点もメリットに数えられます。
勤務時間は多くの大学で朝の8時や9時頃から17時・18時までで、終業時刻になった時点で帰宅する流れが一般的です。
春先の繁忙期は定時帰宅が難しいものの、残業した分の手当は間違いなく支給されます。
繁忙期以外であればプライベートの時間を大切にできるのも利点です。
離職率が低い
大学職員の離職率が全体的に低いこともメリットと言えます。
少なくとも民間企業よりもずっと低く、働き始めてから数年経っても部署内に同じ人が多く残っているほどです。
年収が高くプライベートも大事にできる職場であるため、働き方や人間関係などで不満を感じない限り辞める人はあまりいません。
定年まで比較的長期にわたって働く上でうってつけです。
競争を意識せずに働ける
最後に競争を意識せずに働けるのもメリットに挙げられます。大学は一般企業と異なりライバルとなる存在があまりいません。
業務上のノルマもないため、自分を追い立てて無理な過重労働に打ち込まずに済みます。また年功序列の気質もあるため、先輩や後輩との競争も起こりません。
比較的自分のペースで仕事できる点も大学職員の良いところでしょう。
大学職員に向いている人の5つの特徴
大学職員を目指す際、自分に向いているのかも気になりますよね。
以下の特徴に当てはまっていれば大学職員を目指してみても良いでしょう。
コミュニケーション力に自信のある人
まずコミュニケーション力に自信のある人です。
大学職員は仕事の中で学生・教員・保護者・高校の進路指導担当者など様々な人と接します。
加えて職場内でも部署単位で動くため、上司や同僚との円滑な意思疎通は必要です。
コミュニケーション力に自信があれば大学職員としてもうまく動けるでしょう。
安定志向の人
また安定志向の人も大学職員向きです。大学職員は基本的に年収が高く、年功序列で昇給・昇進するため、収入を安定させる上で向いています。
経済的な不安とは無縁である分、落ち着いて長く働けるでしょう。
ルーティンワークが得意な人
ルーティンワークが得意な人も大学職員に向いています。大学内の各部署で行う仕事は、基本的に事務作業ばかりです。
似た作業を繰り返すことに対して苦痛に感じなければ、居心地の良い職場と思えるでしょう。
細かい作業が苦にならない人
細かい作業が苦にならない人も大学職員は天職です。大学職員は日常的にPCを使って文書の作成・確認・修正を行います。
細かい部分まで間違いなく作業できることが重要であるため、細かい作業に強い人もおすすめでしょう。
1つの職場に長く働きたい人
最後に1つの職場に長く働きたい人にもうってつけです。
特に有名大学であれば経営基盤が非常に強固であるため、何十年も勤められるでしょう。
あとは大学に骨を埋める覚悟さえあれば定年まで働くことも可能です。
大学職員になると後悔する人の5つの特徴
一方で大学職員に向いていない人のタイプもいくつかあります。主に以下の5つです。
コミュニケーションが苦手な人
まずコミュニケーションが不得意な人は大学職員に向いていません。
大学職員は業務の中で様々な人と関わるため、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
また同僚などとコミュニケーションが取れない場合、部署内で孤立することさえあります。
コミュニケーションが苦手な場合、労働環境の良い大学でも働きづらさを感じるでしょう。
自分で仕事を仕切りたい人
また自分で仕事を仕切りたい人も大学職員に不向きです。
若手のうちに仕切った場合、組織のチームワークを乱す問題児とみなされやすいです。
仮に仕事を仕切って実績を上げても評価されないため、次第にモチベーションも下がるでしょう。
ひいては大学職員として働くことに後ろ向きにもなりかねません。
仕事を通じてスキルを身に着けたい人
仕事を通じてスキルを身に付けたい人も大学職員には不向きです。
大学内での業務は基本的に単純な事務作業ばかりである分、慣れれば誰もができます。
特に大学職員から別の企業などに転職を考えているのであれば、諦めた方が良いでしょう。
プライドの高い人
プライドの高い人も大学では働きにくいです。大学職員も学生や教員と同じく大学の構成員ということになるため、建前上は平等とされています。
大学も大きな組織であるため、教員の性格も様々です。しかし教員の態度に我慢できない場合、ストレスさえ感じるでしょう。
リモートワークや在宅勤務も希望する人
最後にリモートワークや在宅勤務を希望する人も諦めた方が良いです。
大学の業務ではインターネットを使うこともある一方、ネット会議などを使う文化はあまり定着していません。
役所に近い性格を持っているため、意思伝達1つも文書を使うことが非常に多いためです。
加えて設備管理や大学図書館の事務など在宅勤務が難しい業務を行う部署では、リモートワーク勤務の機会に恵まれないでしょう。
大学職員を目指す際に意識したい5つのこと
年収が高く比較的安定して働ける大学職員の仕事に魅力を感じますよね。
もし大学職員を目指すのであれば、以下の5点を意識してください。
大学職員の求人は少なめ
まず大学職員の求人は少なめです。大学職員の募集は毎年行われてはいるものの、規模の大きい大学でも採用枠が10人程度と限られます。
中小規模の大学であれば1人だけ募集するケースも多いです。
一方で大学職員は非常に恵まれた待遇が用意されているため、就職活動でも人気を集めています。応募者数も非常に多く、数十倍や100倍超えもざらです。
大学職員として就職するには厳しい競争を勝ち抜かなければいけない点を理解しておきましょう。
年収が平均以上の大学を狙う
また年収が平均以上の大学を狙うこともポイントです。
年収が平均を超えている場合、福利厚生が充実していて職場環境もホワイトと言えます。加えて経営基盤が強固で、長期的に働けるでしょう。
一方平均を下回る大学の場合、ブラックな待遇が待っている可能性があります。
下手をすると大学自体の経営が危うい場合もあるため、極力避けるべきです。
国立大学の方が私立大学より難易度が低い
大学職員の応募先を選ぶ場合、国立や私立の難易度で悩む人もいますよね。
もし選ぶのであれば国立の方が難易度が低くておすすめです。
私立大学は国立大学に比べて待遇が優遇されている分、選考時の競争も厳しい傾向にあります。特に都市部の有名私大の場合、採用率が1%に満たないケースも多いです。
採用率が非常に低い点から考えれば、国立大の方が相対的に狙いやすいでしょう。ちなみに国立大を狙う場合、筆記と各大学での面接に分けて試験が行われます。
新卒の場合は後悔しないようにリサーチする
もし新卒で大学職員を目指す場合、後悔しないようにしっかりリサーチしましょう。大学職員は仕事を通じて専門性を伸ばせないためです。
晴れて大学職員として入職できても、職場環境に不満を抱いて民間企業に転職しようとすると非常に苦労するでしょう。
極力転職を避けるためにも、応募先の大学の年収・校風・職場環境はしっかり調べるべきです。
大学職員からの転職難易度は高い
最後に大学職員からの転職難易度は高く、なかなか採用されません。大学職員は日々同じような仕事ばかりをこなすためです。
学内の業務では自分ならではのスキルや専門知識がなかなか身に付きません。転職活動を始めても企業の人事にとっては何の旨味もない分、書類選考の通過さえ難しいでしょう。
初めから後悔しにくい大学に入るか、いっそのこと大学職員を諦めるといった選択も必要です。
まとめ
「大学職員はやめとけ」と言われる理由を、メリットや向いている人の特徴などに触れながら見てきました。
年功序列でなかなか成長できない職場環境や人間関係で悩むケースがある点が主な理由です。
ただ大学職員は基本的に年収が高く、かなり長期にわたって働けます。一生をなるべく無難に過ごしたい人や金銭面で余裕のある生活をしたい人に向いているでしょう。
大学職員は安定した環境ということあり、順風満帆な人生を望む人におすすめです。
目指すのであれば、「やめとけ」と言われる理由とも合わせて考えてみてはいかがでしょうか。