次の転職を念頭に入れて職業訓練に励んでいる人もいますよね。ただ生活が苦しく、バイトも掛け持ちしたいと考える人も多いはず。
実は職業訓練とバイトは条件さえ守っていれば両立も可能です。一方で両立を実現するためのルールや条件は細かく決まっています。
本記事では職業訓練とバイトを両立させる方法を見ていきます。なお今回の記事は以下の人におすすめです。
- 職業訓練を受けているものの、お金に不安のある人
- 職業訓練の片手間でもできる仕事を見つけたい人
- 職業訓練とバイトを両立させる条件が気になる人
また失業保険を受給しながら職業訓練を受給したい方は、まずは下記の記事で手順を参考くださいね。
職業訓練とバイトの両立は大丈夫なのか?
ハローワークの職業訓練でスキルアップし、今後の仕事に繋げたい人もいますよね。
ただ受講中の生活が心配で、バイトで何とかしたい人も多いはず。
受講の際は色々と守るべきルールがありますが、果たして期間中にバイトも掛け持ちして良いのでしょうか。
条件を守っていれば両立できる
職業訓練のバイトは、条件さえ守れば両立できます。
具体的には1日4時間未満、雇用期間が1ヶ月以内に収まれば問題ありません。
また失業保険などを一切受け取らない人であれば、上記の制限に関係なくバイトが可能です。特に貯金だけでやりくりが難しく、掛け持ちに自信がある人は大丈夫です。
1日4時間以上・週20時間以上・1ヶ月以上の継続雇用を避ける
なお1日4時間以上・週20時間以上・1ヶ月以上の継続雇用は避けるべきです。いずれもハローワークから見て働きすぎとみなされます。
特に1ヶ月以上の継続雇用はバイト先の失業保険に加入する代わりに、現在給付中の失業保険から離脱する流れです。
保険金を受給しながら訓練を受けている人は注意を要します。
他にも1日4時間以上の場合は、超えた時間で発生した給料の分、受給額も少なくなる仕組みです。
「就職」とみなされる働き方にはアルバイトも含まれる
両立したい場合は雇用保険法で言われる「就職」とみなされないようにします。
そして「就職」は世間一般と異なり、非正規雇用も含まれる点は注意すべきです。
アルバイトはもちろん、長時間労働や継続雇用であれば契約社員や長期多岐な派遣労働も含まれます。
他にもフリーランスや家事手伝いも含むため、訓練と並行して仕事する場合は要チェックです。
バイトを掛け持ちした場合の失業保険や職業訓練への影響5ポイント
職業訓練とバイトの両立はきちんと条件を守っていればできます。
ただし働きすぎた結果、両者のバランスが保てないと判断されると、様々な影響を受けてしまいます。
考えられる影響として以下の5つが挙げられます。
- 上記の時間以上バイトをすると失業保険の給付終了・職業訓練校の退校に
- 職業訓練受講給付金も受給できなくなる
- 1日4時間以上の日がある場合は働いた日の給付金は延長に
- 1日4時間未満の場合は賃金によっては減額される
- 両立が難しい場合は勉強・転職活動に集中するべき
一定の時間以上バイトをすると失業保険の給付終了・職業訓練校の退校に
まず失業保険を受給している人は、一定の時間以上にバイトすると給付が打ち切られるケースが出てきます。主に1ヶ月以上の雇用契約を結んだ場合です。
受講中は受給期間も終了日まで延長されます。しかし継続雇用の場合は別の失業保険に加入するため、受給資格を失います。
加えて訓練自体も終了し、受講していた学校も退校することになります。1ヶ月以上の継続雇用は就職とみなされ、訓練を受ける資格も失うためです。
せっかくスキルアップに励んでいても、掛け持ちが原因で途中終了になるケースもあります。両立する際は充分注意しましょう。
職業訓練受講給付金も受給できなくなる
次に職業訓練受講給付金を受け取っている人の場合も、バイトの状況次第では受給が打ち切られます。
当給付金も職業訓練を受ける前提で支給されるためです。
失業保険と同じく、継続雇用した場合は訓練を受ける資格を失います。たとえ失業保険と縁がなくても、長期雇用の場合は注意が必要です。
なお全ての訓練日に出席することも受給の条件になっています。あまりに欠席が目立つと受け取れなくなる点も気を付けましょう。
1日4時間以上の日がある場合は働いた日の給付金は延長に
長期雇用ではないバイトでも、勤務時間が1日4時間を超える場合もありますよね。もし4時間以上の場合は、実際に働いた日の給付金は支給が延長されます。
支給が延長される場合、実際に受け取れる金額は同じです。ただ延長で受け取れる日が、受給終了日より後の場合は支給されません。
週4日以内に抑えていても、残っている受給期間には気を配りましょう。
1日4時間未満の場合は賃金によっては減額される
両立を目指す場合、最も理想的な方法が1日当たりの勤務時間を4時間未満とするやり方です。
ただうまく時間を抑えるにしても、稼いだ金額に気を配る必要があります。
実は1日4時間未満でも、給料が失業保険の基本手当の8割以上になると支給されない仕組みです。また8割に達しなくても、一定の金額を超えた場合は減額になります。
たとえ1日4時間までに抑えるとしても、勤め先の給料と失業保険とのバランスをうまく考える必要があります。
減額の際に使われる計算式を紹介
ちなみに一定以上の金額を超えた際に減らされる分を計算する方法もあります。
うまく生活をやりくりしつつ訓練を受けられるように、前もって知っておくのがおすすめです。
現在の計算式は、以下の通りになっています。
- (合計収入÷実際に働いた日数ー1,306円(控除分))+基本手当の日額
- 賃金日額×0.8
- 1の結果-2の結果
例えば基本手当の日額が7,570円で賃金日額(退職前の平均月収から算出)が1万円の人が、3日間時給1,000円のアルバイトを5時間こなした場合は、以下の通りです。
- (15,000÷3ー1,306円(控除額))+7,570円=11,264円
- 10,000円×0.8=8,000円
- 11,264円-8,000円=3,264円
以上のように1日当たり3,264円引かれます。上の例では3日間働いているため、実際には月額にして3,264円×3=9,792円少なくなる計算です。
なお計算の結果がマイナスになる場合は減額されません。
また上記の控除額は2019年8月以降導入されているものです。今後も変更になる可能性があります。
両立が難しい場合は勉強・転職活動に集中するべき
掛け持ちが難しい人もいますよね。もし両立できる自信がない場合は、勉強や転職活動に専念すべきです。
受講中は学ぶべきことも多い上、家でこなすべき課題も多くあります。人によってはバイトもこなすと、勉強に支障が出るケースもあります。
職業訓練の最終目標は、転職先を決めて学んだスキルを活かすことです。
つまり学びが本分であるため、真面目に勉強してスムーズに転職できるように励むのがおすすめです。
失業保険などを給付しながら職業訓練とバイトを両立させるポイント5つ
失業保険などを給付しているとはいえ、職業訓練の傍らでバイトしないと生活が心配という人もいますよね。
もし両立させたい場合は、以下のポイントが参考になります。
バイトの時間を1日4時間未満に抑える
まず勤務時間は1日4時間未満に抑えるのがベストです。
4時間を超えれば失業保険の金額は少なくなる上、何時間も働くと支給自体が延長になります。期限によっては支給もされません。
1日当たりの勤務時間でも少ない分には、今まで通り満額で貰えます。
なお4時間を下回る仕事でも、あまり時給が高い仕事は逆に減額の原因になるため、避けた方が良いです。
社会保険に加入しない仕事を探す
また社会保険に加入しない仕事を探しましょう。主に1ヶ月の継続雇用にならなければ問題はないため、1ヶ月以上にならない程度の短期の求人がおすすめです。
ただし1ヶ月未満の仕事でも、週20時間(週5日)を下回るように調整します。加えて1日当たり4時間を超えないようにすれば無難です。
主に単発の仕事を探す
両立を実現する際、具体的に探すべき仕事で悩む人もいますよね。1ヶ月以上の継続雇用にならないで、かつ週20時間を下回る仕事の代表例が単発の仕事です。
単発の仕事は普通のアルバイト情報サイトにも多く掲載されています。イベント会場の設営や試験監督の仕事などが代表例です。
雇用して貰う以外にもクラウドソーシングサイトで仕事を探す方法もおすすめです。
データ入力や簡単なライティングなど、移動中にスマホでできるものも多く揃っています。
ヤフオクなど一時的な収入を得られる手段もOK
訓練受講中にお金を得る手段としてヤフオクなどを利用するのもおすすめです。厳密にはアルバイトと言えないものの、一時的に収入を得られるためにピンチの際に役立ちます。
加えて失業保険への加入もなく継続的な仕事にも当てはまらないため、受け取れるお金が減ることもありません。
訓練中に無難にお金を得たい場合に活用すると良いでしょう。
失業保険の認定日には正直に申告する
なお両立する際は、失業保険の認定日に正直に申告するべきです。たとえボランティアや家事手伝いでも申告の義務があります。
もしわざと申告しないで多額の給料をバイトで稼いでいた場合、不正受給とみなされて危険です。ペナルティーとして、後で触れるような追徴金などが発生します。
職業訓練とバイトの掛け持ちのばれるばれないについて
職業訓練とバイトの掛け持ちをする際、「別に申告しなくてもばれないだろう」と高をくくりそうになりますよね。
最後に両立がばれるかばれないかについて見ていきます。
条件を守っていればばれる可能性は低め
まず掛け持ちできる条件を守っていればばれる可能性は低いです。
実際にルール通りの定期的な申告も行っていれば、無難に両立できます。
ただしハローワークはバイト先で行う手続きに目を光らせている点は理解しておくべきです。
例えば職場で別の失業保険に加入する際もしっかりチェックしているため、黙っていても確実にばれるでしょう。
給料から天引きされた税金などでばれるケースがある
また給料から天引きされた税金を通じてばれるケースもあります。
税務署や自治体とのやり取りであるために発覚しないように見えるものの、ハローワークは税金関係に対するチェックも厳しいです。
よって訓練中にバイトとの掛け持ちを秘密にしていても、あっさりばれてしまいます。申告していない場合はなおさら大変な事態になりやすいです。
加えてSNSでの投稿を通じてばれる場合もあります。バイト先で調子に乗って高い給料を受け取ったことを呟くなどした場合などが例でしょう。
他にも定期券の抜き打ちチェックでばれることもあります。
訓練を始めるまでのアルバイトは申告が必要
まもなく訓練が始まるものの、開始日までのアルバイトはばれないのか気になる人もいますよね。たとえ開始前でも申告は必要です。
特に失業保険を受給している場合は、訓練を受けている受けていないに関係なく、一定以上の金額を稼いだ時点で減額や不支給になります。
申告しなければペナルティーが発生する場合もあります。
たとえ訓練を受ける前でも申告が欠かせません。
認定日では正直に申告しないと様々な罰則が課される
なお失業保険の認定日に正直に申告しない場合、様々な罰則が科される点は注意すべきです。
不正受給とみなされた場合、受け取った給付金の全額返還に加えて、2倍の追徴金が発生します。
実際には3倍ものお金を払わなければいけないため、懐事情が極めて悪化します。もちろん支給も停止になるため、今後の生活にも支障をきたします。
さらにあまりにも悪質なやり方で不正受給しようとした場合は、詐欺罪で告訴される点でリスクです。
罰金が発生する上に就職活動もしづらくなりますよ。
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まとめ
職業訓練とバイトの両立について見てきました。
基本的に時間を極力抑えたり単発の仕事を選んだりすれば、ほぼ無難に両者を掛け持ちできます。
ただしあまりバイトを頑張りすぎると、失業保険などの受給額が減ったりスキルアップに支障が出たりするため、程々にするべきです。なお認定日の際は正直な申告が欠かせません。
職業訓練の受講中はお金のやりくりが重要な問題になります。バイトとのバランスにも十分気を付ける必要があります。
また職業訓練には様々な種類があります。まだ詳しく決まっていない方は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。