言語聴覚士はやめたほうがいい?やめとけと言われる理由や向いている人の特徴も紹介

言葉や聴覚に不便を感じている人に寄り添いたい気持ちで言語聴覚士を目指す人もいますよね。

しかしGoogleなどで検索した時、「やめたほうがいい」のワードが一緒に出てきて気になるのではないでしょうか。

確かに言語聴覚士にはやめたほうがいいと思える部分や背景も色々とあります。

しかしネガティブな部分を理解すれば、より言語聴覚士について理解を深められるのではないでしょうか。

本記事では「言語聴覚士はやめたほうがいい」と言われる理由を、メリットや向いている人の特徴などとともに解説します。

目次

言語聴覚士とは

言語聴覚士とは

言語聴覚士とは、言葉によるコミュニケーションに問題がある人に寄り添い、日常生活を支障なく遅れるようにサポートする専門家です。

発話・飲み込み・聞き取りなどの機能を妨げる要因を把握し、必要なリハビリなどを行います。

障害のある方や病気・事故で後遺症で言葉を発せなくなった方が主な支援対象です。

また幼児から高齢者まで幅広い年代の方を対象にする点も特徴と言えます。なお支援の際は医師や看護師など様々な医療職との連携も必要です。

言語聴覚士は1997年に登場したため、国家資格でも比較的新しい部類に入ります。

資格を得るには言語聴覚学を学べる課程がある大学や専門学校などで必要な知識や技術を習得し、国家試験に合格することが条件です。

言語聴覚士はやめたほうがいい?やめとけと言われる8つの理由

言語聴覚士はやめたほうがいい?やめとけと言われる8つの理由

言語聴覚士は会話や聞き取りに不便を感じる人をサポートする職業である一方、「やめたほうがいい」と言われることもあります。

言語聴覚士がネガティブな見方をされる理由は以下の8つです。

給料が低い

まず給料が多くない点が挙げられます。言語聴覚士の平均年収は350~420万円程度です。

月収換算で29~35万円程度で、手取りにすれば23~28万円程度となります。

会社員など給与所得者の平均が443万円(2021年)とされているため、平均にぎりぎり届くか届かないか程度の数字です。

後に触れますが言語聴覚士の業務量や受けるストレスも大きいため、数字だけで見るなら割に合わないと言えるでしょう。

理学療法士や作業療法士に比べて需要が低い

また同じリハビリ職である理学療法士や作業療法士に比べて、需要が低い点も理由です。

資格保持者で考えても理学療法士が10万人、作業療法士が7万人であるのに対し、言語聴覚士は3万人と半分にも届きません。

資格保持者の数字は直接社会的な需要の度合いに直結します。需要が低さで募集求人や活躍の場が少ないため、就職活動ややりがいの面で苦労することも多いです。

年収の大幅アップが期待できない

長期的な年収の大幅アップが期待できない点でもネガティブに見られます。

言語聴覚士は医療職に分類されるため、国(厚生労働省)が定める診療報酬制度によって給料が決まる仕組みです。

診療報酬制度では1点に付きいくらと予め給料が決まっています。特に言語聴覚士に対する報酬はかなり低めに抑えられているため、毎年の昇給額も1,000円程度と少なめです。

仮に10年勤めても1万円程度、20年でも2万円程度しか上がりません。

あまりにも年収が上がりにくいため、長く働くべきかに悩むことも多いでしょう。

業務量と責任が年数で増えていく

業務量と責任が勤続年数に応じて増えていくのも「やめとけ」とされる理由です。

言語聴覚士は基本的に言語や聴覚に問題のある患者に寄り添う職業のため、普通に勤めるだけでも多忙を極めます。

そして経験年数が長くなるほど上の立場で活躍するため、業務量や責任も増す仕組みです。

ただ一方で給料は大きく伸びないため、やる気をなくすこともよくあります。

希望する職場で働けない可能性もある

希望する職場で働けるとは限らない点も理由の1つです。

一言で言語聴覚士といっても、担当する分野は発音・聴覚・飲み込み・認知などと多岐に渡ります。人によって就業時に希望する分野が異なるのが一般的です。

しかし実際に配属となった際、希望するものと異なる分野に回されることもあります。

例えば発音支援に携わりたかったのに聴覚支援に配属されたといったケースです。

国家資格を取得して入職まで実現できたにもかかわらず、希望と配属のミスマッチで仕事に打ち込めないこともあるでしょう。

サービス残業が多い

サービス残業の多さも「やめたほうがいい」といわれる要因の1つです。

言語聴覚士は患者のリハビリやカウンセリングだけでなく、勉強会やカンファレンス(大規模な会議)など様々な業務をこなします。

ただ勉強会やカンファレンスは、基本業務時間が終わってから行われるケースが非常に多いです。

患者の治療に欠かせない会議であるため、なかなか「帰らせてほしい」と言うわけにもいかないでしょう。

サービス残業では給料が発生しないため、年収の低さとともに割に合わない気持ちに陥りがちです。

休日がなかなか取れない

サービス残業の多さに加えて、休日がなかなか取れないことも理由に挙げられます。

言語聴覚士の勤務先によっては土日関係なく営業しているところも多いです。

基本的にスタッフが交代で休む形でシフトを組んでいるものの、スタッフが少ない病院では出勤日数を増やさないと回せません。

また休みを取る際の手続きや申し送りが面倒で休日を取れないこともあります。

休日をなかなか取れなくてゆっくりしにくいことから、「やめたほうがいい」と言われがちです。

将来的に機械やAIに仕事を奪われるリスクもある

将来的に機械やAIに仕事を奪われるリスクがあることも理由に挙げられます。

近年では機械やAIの技術も進んでおり、AIを活用したリハビリプログラムやリハビリ用の機器もどんどん開発されているほどです。

今後もリハビリの現場に機械やAIが進出してくることが予想されます。一方で言語聴覚士が担う部分が減ったり、全面的に取って代わられたりする点を心配する声も多いです。

ゆくゆくは言語聴覚士の仕事がなくなる不安もあるため、「やめたほうがいい」とも言われます。

言語聴覚士を辞めたい・やめてよかった6つのパターン

言語聴覚士を目指すか諦めるかを判断する際、経験者の声もぜひ聞いておきたいですよね。

言語聴覚士の退職理由によくあるのが以下の6つです。

仕事にやりがいを感じられない

まず「仕事にやりがいを感じられないこと」が挙げられます。新人の場合は希望の部署や分野にとは異なる部門に配属されたことで、やる気がしぼんでしまうパターンです。

また現場に慣れてきて一通りの業務がこなせるようになった途端、仕事を通じた成長を感じられなくなってモチベーションが下がることもあります。

特に成長意欲のあるスタッフほどやりがいを見失いがちです。

他にも現場で言語聴覚士の専門性や業務に対する理解がない場合もやりがいを感じられなくなります。

様々な理由でやりがいを見失うと、働き続けることに疑問を感じて退職に至る人もいるでしょう。

業務や残業が大変で心身が病む

また業務や残業の大変さで心身を病んで辞める人もいます。言語聴覚士の業務は非常に多く、通常の業務時間内に行うものだけでも幅広いです。

サービス残業の多さや休日の取りづらさも加わるため、疲れが溜まるだけでなく休息もなかなか取れません。

疲れやストレスが発散されないため、心身の疾患をきっかけに辞める人もいます。

職場の人間関係で悩む

さらに職場の人間関係が原因で辞めた人も多いです。上司や先輩と相性が合わなかったり、指導に疑問を持ったりしたことがきっかけになる方もいます。

本来はタッグを組むべき上司や先輩とそりが合わない場合、普段の仕事でもストレスが溜まりがちです。

また現場によっては言語聴覚士が他にいないため、相談できる相手がいなくて孤立する場合もあります。

孤立した場合、悩みやストレスのはけ口が見出せないため、苦痛で辞める流れです。

休みたい時に休めない

休みたい時に休めないことも退職理由でよく見られます。言語聴覚士はただでさえ職場での拘束時間が長い上に休日出勤も多い職種です。

疲れが溜まっている中で休みを取りたくても、人材不足や手続きの煩わしさが要因で休めないこともよくあります。

長期間にわたって希望の日に休めないと、不満や苛立ちが募って辞めたいと思いがちです。

休みがないことが原因で体や心が不調をきたして辞める人もいます。

言語聴覚士以外に興味のある仕事ができた

言語聴覚士以外に興味のある仕事ができて辞めるケースも多いです。勤務先によっては同僚や患者との交流をきっかけに他の業界の事情を知る場合があります。

言語聴覚士を比べて待遇や働きやすさの点で他の仕事に魅力を感じると、転職に前向きになりやすいです。言語聴覚士として何としても成し遂げたい場合は、退職や転職に動こうとします。

【1年目の人】業務や働き方がきつい

1年目の新人の場合、業務や働き方がきついと感じたこともよくある退職する理由です。

資格を得て晴れて入職したものの、思っていた以上に業務が多かったり休日がなかったりすると嫌気が差します。

給料が思ったほど多く貰えなかった場合はなおさら失望しやすいです。しかも仕事に慣れる途上でもあるため、心身ともにストレスも溜まります。

様々な要因から先々に対して悲観して退職する人も少なくありません。

言語聴覚士の4つのメリット

「やめたほうがいい」と言われがちな言語聴覚士も、実はメリットが色々あります。主なメリットが以下の4つです。

給料は比較的安定している

まず給料は比較的安定しています。確かに言語聴覚士の年収は普通の会社員に比べれば低めです。

ただ給料が国の診療報酬に基づいて決まるため、急激な減給の心配はありません。

雇用の点でも国の財政破綻や自身の希望による退職がない限りは職を失わずに済みます。

長期的な昇給は見込めないものの、一定程度の給料は貰えるため、うまくやりくりすれば生活に困窮する心配もないでしょう。

転職のハードルは低い

また言語聴覚士は、別の職場に転職する際のハードルが低いです。

言語聴覚士が国家資格である上に人材不足の現場が多いため、高い確率で採用されます。

加えて言語聴覚士は医療機関以外にも、介護施設・養護学校・福祉施設など活躍できる舞台も多いです。

応募の選択肢も多く持てるため、満足のゆく職場が見つかる可能性も十分にあります。

社会的な評価が高い

さらに言語聴覚士は国家資格ということもあり社会的な評価が高いです。

就職先に困らない上に、言語や聴覚に対する支援の社会的な需要も年々高まっています。

加えて言語聴覚士は専門的な知識やスキルを使って、言語や聴覚関係で悩む人をサポートする存在です。

他の医療職と同じく患者の問題に取り組んでいるため、様々な人々から厚い信頼や評価を得られます。

仕事を通じてやりがいを感じられる

言語聴覚士のメリットといえば、仕事を通じてやりがいを感じられる点は外せません。

会話や聴覚などで困っている患者に寄り添い、リハビリやカウンセリングを通じた支援を求められるためです。

担当した患者が問題を解決し、感謝の言葉を貰ったり喜びを爆発させる姿を見たりすると仕事を続けて良かった気分に浸れます。

やりがいを糧にモチベーションを高められるのも言語聴覚士の仕事が持つメリットです。

言語聴覚士に向いている人の5つの特徴

言語聴覚士を目指す際、自分が向いているのか気になりますよね。言語聴覚士に向いている人の特徴は以下の5つです。

言語関係で人の役に立ちたい想いの強い人

まず言語関係で人の役に立ちたい想いの強い人が挙げられます。

言語聴覚士は医療職の中でも言語や聴覚関係のリハビリのプロであるため、働く上で支援に対する熱意は欠かせません。

自分自身や家族・親戚などが言語や聴覚関係で苦しんだ経験があれば、なおさら支援したい思いも強まるでしょう。

待遇や働き方の面で大変であっても熱意が強ければ、言語聴覚士の仕事もやりがいを持って当たれます。

コミュニケーション能力に自信のある人

またコミュニケーション能力に自信がある人にもおすすめです。言語聴覚士は勤務先で他の関連する職種の人とともに患者をサポートします。

例えば医療機関では医師・看護師・薬剤師などとの連携が欠かせません。

そして連携する際も様々な調整が必要となるため、日頃からしっかりコミュニケーションを取る必要があります。

患者や家族に対しても、最適なリハビリの方法を模索・提案する上で対話していくことが多いです。

業務上やり取りの機会が大変多いため、コミュニケーション力に自信があれば挑戦しても良いでしょう。

安定した収入を望む人

安定した収入を望む人も言語聴覚士向きです。言語聴覚士の年収は決して多い方ではない一方、極端に減る心配もありません。

出世欲はない代わりに、専門知識を活かしながら安定的に生計を立てたい場合に向いています。

もちろん就職活動の際にリサーチは必要ではあるものの、待遇面で満足できる職場であれば長く働けるでしょう。

明確な目的を持って言語聴覚士を目指している人

明確な目的を持って言語聴覚士を目指している人にもおすすめです。

明確な目的のある人は、人の役に立ちたい人と同じく言語聴覚士の仕事に対して並々ならぬ情熱を抱いています。

言語聴覚士の仕事を長く続けるには、何よりも強い情熱ややりがいを感じられる点は外せない要素です。

言語聴覚士として成し遂げたいことを忘れずにいれば、困難にぶつかってもくじけないでしょう。

逆に途中で諦めた場合、強い後悔の念に苦しむ場合もあります。後悔したくないのであれば何があっても諦めずに続けることが大切です。

スキルアップに熱心な人

最後にスキルアップに熱心な人も言語聴覚士として活躍できます。

言語聴覚士は医療職の一種であるため、常に進歩する医療やリハビリの知見を取り入れて成長しなければなりません。

職場でも上司や先輩から勉強会や学会への参加を指示されることも多いです。

特別な手当は発生しないため、あまり勉強意欲のない人であれば苦痛に感じる一方、好奇心が旺盛であれば逆にやりがいを感じるでしょう。

現場の内外で学ぶべき機会は非常に多いため、普段から勉強が大好きな人にとっても言語聴覚士はうってつけです。

言語聴覚士に向いてない人の5つの特徴

逆に言語聴覚士に向いていない人の特徴も合わせて知りたいですよね。

言語聴覚士に向いていない人の特徴は以下の5つです。

高額な年収を狙っている人

まず高額な年収を狙っている人は向いていません。言語聴覚士の平均年収は350~420万円である上、長期的に大きな昇給も期待できないためです。

給与所得者の平均年収443万円にも及ばないため、高額な年収はまず稼ぎにくいでしょう。何としても高年収を狙いたい場合はより待遇の恵まれた職種を狙うべきです。

早めに結果を求める人

また早めに結果を求める人も向いていません。言語や聴覚に関するリハビリの結果がいつ表れるのかは、患者の状態によって様々です。

中にはリハビリの結果が出るまでかなり時間が掛かる人もいるでしょう。しかも患者や障害のある人を急かすと、精神的な負担で症状が悪化するケースもあります。

治療やリハビリにはある程度の時間が必要であることを理解するべきです。

高齢者や障害者への理解がない人

高齢者や障害者への理解がない人も向いていません。

そもそも言語聴覚士として仕事を進めるには、高齢者や障害者独特の事情や背景の理解が不可欠です。

自ら歩み寄って高齢者や障害者を理解する姿勢を見せれば信頼関係が生まれます。そして理解によって生まれた信頼関係はリハビリや訓練を進める上で重要です。

自分のペースを重視する人

自分のペースを重視する人も向いていません。サポートを必要とする患者は、普通の人よりも言語や聴覚に関する機能が弱っています。

同時に彼らは思いを自由に伝えられないことに不便を感じている状態です。

まずは時間を掛けて相手に寄り添い、彼らの気持ちを理解することが欠かせません。

あくまでも患者のペースに合わせることがリハビリの第一歩となります。寄り添う努力さえできないのでは言語聴覚士の仕事は難しいでしょう。

チームワークが苦手な人

最後にチームワークが苦手な人も不向きです。言語聴覚士が患者などのリハビリを行う場合、医師や看護師など他の職種との連携が欠かせません。

チームで必要な情報を共有し、最適な方法をについて話し合う力も言語聴覚士に求められます。協力関係の構築や話し合いが苦手で単独行動を好む場合、言語聴覚士として働くのは大変です。

まとめ

「言語聴覚士はやめたほうがいい」と言われる理由を、メリットや向いている人の特徴などとともに見てきました。

年収の低さ・仕事の多忙さ・休日が取れない点などが主な要因です。

しかし言語聴覚士にはやりがいを感じられる点や転職のしやすさなどメリットも色々とあります。

加えて患者のために役立ちたい気持ちの強い人やスキルアップに熱心な人であれば、長期的に仕事を続けられるでしょう。

言語聴覚士は国家資格では新しいものの、社会的需要が高く長く働ける仕事です。

目指す際はやめた方が良い理由とメリットの両方を参考にしながら決めると良いでしょう。

言語聴覚士に関する「よくある質問」

言語聴覚士の仕事内容・平均年収は?

言語聴覚士は障害や後遺症によって会話や聴覚などに不便をきたしている患者を支援する専門職です。カウンセリングや他の医療職との打ち合わせで支援計画を決め、リハビリや訓練を行います。

言語聴覚士の平均年収は350~420万円程度です。日本の給与所得者全体の平均である443万円より若干低めです。

社会人から言語聴覚士になるには?

社会人から言語聴覚士を目指すことは可能です。基本的な流れは学生と同じく、自身の学歴に応じて大学や専門学校で学びます。ただ仕事をしながら勉強するケースも多いため、仕事と両立しながら学ぶ方法を考えるべきです。

言語聴覚士は頭が悪い場合でもなれる?

言語聴覚士は頭が悪くてもなれます。大学や専門学校で必要な授業を履修する必要はあるものの、試験で問われる内容は暗記すれば対応できるものばかりです。十分な勉強時間を設けて必要なものを暗記する努力が大切です。

言語聴覚士はモテる職業ですか?

言語聴覚士は特に女性であればモテます。常に患者に寄り添っている分、気配りがきいて優しい人が多いためです。なお言語聴覚士は全体的に女性が多い職場であるため、出会いは職場外のケースが多くなります。

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