ハローワークの求職活動実績の作り方にはどんなものがあるの?
会社を退職し、ハローワークの失業保険を受給するにあたり、求職活動の実績についてよく分かっていない方は多いはず。確かに分かりにくいですよね。
結論から言うと、ハローワークの求職活動実績の作り方は、一般的に7つ存在します。
この記事では求職活動実績の7つの作り方から、実際に作る時の注意点まで解説していきます。
- 求職活動実績の基礎知識・受給までの流れ
- 実際に求職活動実績を作る7つの方法
- その他実績に認められないもの・注意点など
失業保険受給における「ハローワークの求職活動実績」とは
失業保険の受給にあたり、失業保険や求職活動実績についてまだ分かっていない方も多いはず。
そこでまずは「失業保険とは何か」「求職活動実績とは何か」について解説していきます。
なお既に知っている方は「求職活動実績を一般的に作る7つの方法」にお進みください。
失業保険とは
失業保険は「雇用保険」とも呼ばれ、様々な理由で退職した場合に給付されるお金です。
労働時間が週20時間以上で、雇用期間が1ヶ月(31日)以上の場合に加入します。
加えて最近2年間で12ヶ月以上加入していれば、リストラなどで辞職しても最大1年間給付を受けられる内容です。なお給付に向けた手続きはハローワークで行います。
ちなみに2017年からは、65歳以上の雇用労働者も加入できるようになりました。
人生100年時代を見据えた場合でも、強力な味方になります。
派遣社員やアルバイトでも条件を満たせば対象になる
失業保険は正社員だけが加入できるイメージがありますよね。
しかし派遣社員やアルバイトのような非正規雇用の場合でも、条件さえ満たせば加入できる保険です。
派遣社員やフリーターでも週20時間以上の労働時間で、雇用期間が1ヶ月以上の場合は加入できる対象です。
アルバイト先で数ヶ月働いているのに加入していない場合は、店長などに話してはいかがでしょうか。
求職活動実績とは
求職活動実績とは、失業保険の給付期間中に「仕事探しをした証明」のことを指します。
保険のお金を貰う際に是非知っておきたい点が求職活動実績の内容です。
具体的には、求人の応募や面接などの「客観的に確認することができる仕事探しの実績」を、4週間に1回の認定日に示す必要があります。
給付されるには仕事する意思を持っていることが重要な条件です。言い換えれば、仕事を辞めてダラダラしたい人は給付資格を失います。
トラブルなく保険を給付して貰いたい場合は、少なくとも仕事探しや新しいキャリアに向けて準備する意思表示が不可欠です。
認定日までに一定数の求職活動実績が必要
保険を給付して貰うには、認定日までに一定数の実績が求められます。
認定日は約4週間に1度で、当日までに1~3回分が必要です。
もし当日に不足している場合は不認定扱いとなり、1ヶ月分の保険が支給されません。なお不認定が2ヶ月連続すると資格を失います。
ちなみに初回の場合はリストラなど勤務先の都合で辞めた人は1回、自分の理由で辞めた場合は3回必要です。
会社都合退職 | 自己都合退職 | |
---|---|---|
認定日1回目 | 1回以上 | 3回以上 |
認定日2回目以降 | 2回以上 | 2回以上 |
失業保険を受給する時はまずハローワーク主催の「雇用保険説明会」に参加する必要がありますが、この説明会の参加で実績1回分になります。
そのため、会社都合退職の場合は認定日1回目に実績を作る必要がないことを覚えておきましょう。
ハローワークの求職活動の流れを6ステップで解説
失業認定申告書は継続的に失業保険をもらうために欠かせない書類である以上、提出から保険金の受給までの流れも知っておきたいですよね。
保険金をもらうまでには以下のような流れで進んでいきます。
- 退職後に前の職場から離職票をもらう
- ハローワークで求職申し込みを行う
- 失業保険受給資格の認定を受ける
- 待機期間後に雇用保険受給者説明会に参加する
- 4週間に1度の失業認定日に失業認定申告書を提出する
- 失業認定後は1週間以内に失業保険金が振り込まれる
退職後に前の職場から離職票をもらう
まず退職してから10日程度で前の職場から離職票を受け取るところからスタートです。
離職票は2枚1組になっているため、セットでとっておきましょう。
いずれもハローワークでの手続きには欠かせないため、くれぐれも紛失しないように注意が必要です。
ハローワークで求職申し込みを行う
離職票などが届いたら、最寄りのハローワークに出向きます。
地域を管轄しているハローワークの場所は厚生労働省のサイトに記載されているため、事前に確認しておくのがおすすめです。
窓口や受付まで来たら求職申し込みを行います。所定の書類に個人情報やキャリア・スキル、求人の希望条件などを書いて提出するだけなので簡単です。
書類を提出するとハローワークカードが交付され、職業相談や失業保険関係の手続きなどのサービスが利用できるようになります。
なおハローワークカードは2~3ヶ月毎に更新が必要です。
失業保険受給資格の認定を受ける
求職申し込みが済んだら、雇用保険の窓口に出向いて失業保険受給資格の認定を受けます。
窓口は離職票などを提出した上で、受給資格があるかのチェックを受けるのが一般的です。
なお窓口に出向く際は、離職票も加えて以下の書類を持参します。
- 離職票
- マイナンバーカードなど個人番号を証明できる書類
- 身分証明書類(運転免許証やパスポートなど)
- 写真2枚(最近撮影した縦3㎝×横2.5㎝のもの)
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
- 本人のハンコ
提示するべき書類などが多いため、ハローワークに出向く前に忘れ物がないかチェックしておきましょう。
雇用保険受給者説明会に参加する
ハローワークで認定を受けたら、1週間の待期期間に入ります。
そして待期期間が明けた後は雇用保険受給者説明会への参加が必要です。(*待機機関前になる場合もある)
説明会では、今後失業保険を受給する上でのポイントや注意点の説明を受けます。合わせて雇用保険受給資格者証と失業保険受給のしおり、失業認定申告書も受け取る点も重要です。
なお参加した時点で、失業保険の受給に必要な求職活動実績1回分を得られます。
参加が難しい場合はWebのセミナーを視聴する
近年の社会情勢の影響で、説明会に参加できないケースもありますよね。
ハローワークでの参加が難しい場合は、Web動画の視聴という形で参加できます。
ちなみに動画セミナー動画を視聴した場合でも求職活動実績1回分になるため、安心して大丈夫です。
もし視聴を完了した段階で失業認定申告書がない場合は、未記入の状態で後日職員に伝えるようにしましょう。
4週間に1度の失業認定日に失業認定申告書を提出する
説明会に参加した後は、4週間に1度の失業認定日に失業認定申告書を提出します。
提出した上で職員の質問にきちんと答えられれば、失業保険を続けて受給できるようになる流れです。
申告書には期間中の就職活動を証明する求職活動実績を記入します。自分の都合で会社を辞めた人の場合、初回は説明会参加分も入れて3回、2回目以降は2回分が必要です。
一方職場の倒産などでやむを得ず辞める羽目になった人の場合は、初回は1回分、2回目以降は2回分で受給資格を得られます。
なお失業認定申告書の書き方については「失業認定申告書における求職活動実績の書き方」の記事にて纏めておりますので、必要な方はご確認下さい。
失業認定後は1週間以内に失業保険金が振り込まれる
ハローワークで毎回失業認定を受けると、1週間以内に最初に申告した銀行口座に失業保険金が振り込まれる仕組みです。
上の画像の場合は再就職したので一気に振り込まれましたが、一般的に「ショクギョウアンテイキョク(職業安定局)」から振込が行われます。
なお振り込み日は銀行などが営業されている日に限られます。また職業訓練を受けている場合は、毎月中旬頃が振り込まれる時期です。
求職活動実績を一般的に作る7つの方法
「失業保険を貰うのに基本的に実績が2回分が必要」と言われると、貰う方法がつい気になりますよね。
実は実績を貰うには様々な方法があります。
次に求職活動実績として認められるものを7つ順番に解説していきます。
- 雇用保険説明会の参加(強制)
- 求人の応募
- ハローワークや公的機関の職業相談・職業紹介
- ハローワークや公的機関が行う各種講習・セミナーの受講
- 民間機関が行う職業相談・職業紹介
- 民間機関が行うセミナーや転職フェアの参加
- 再就職に資する各種国家試験・検定などの資格試験の受験
求職活動実績①:雇用保険説明会の参加(強制)
雇用保険説明会とは、失業保険の受給にあたって、受給までに必要な日数や実績などについて説明してくれる説明会です。
基本的に失業保険の受給する時、雇用保険説明会は必ず参加することになります。受給における簡単な説明と、DVD視聴で1時間程度で終わります。
参加は強制と聞いて面倒と感じるかもしれませんが、雇用保険説明会は実績1回分にカウントされますので、覚えておきましょう。
求職活動実績②:求人の応募
実際に企業に応募する方法も実績を得る手段の1つです。応募も1件につき1回分が貰えます。
注意点がパソコンなどでの検索だけでは貰えない点です。検索してエントリー先を決めた上で、きちんと企業に選考を受ける意思を示すことが重要になります。
求人を応募する場合は「リクナビNEXT」のアプリを使うことがおすすめ。
電車や休憩の隙間時間に求人を探すことができ、応募もスマホ1つで簡単に行うことができますよ。
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求職活動実績③:ハローワークや公的機関の職業相談・職業紹介
次の方法は職業相談です。
ハローワークや公的機関の開庁日に日常的に受け付けている就職活動関係の相談窓口で、1度の相談で1回分が就職実績を作ることができます。
なおこの場合の公的機関とは、独立行政法人・高齢・障害・求職者雇用支援機構・地方自治体・求人情報提供会社・新聞社などを指します。
相談員も性別や年齢など様々で、気軽に相談しやすいです。相談内容は募集中の仕事関係の他、適正分析や求人票の内容、セミナー関係でも問題ありません。
職業相談を終えると雇用保険受給資格者証にハンコを押してもらえますので、しっかり確認した後保管するようにしましょう。
ちなみに1日で2回相談しても、1回分のカウントになってしまう点は注意して下さいね。
求職実績は職業相談のみで済ませることも可能
ちなみに求職活動実績は、2回の職業相談だけで済ませることも可能です。
1回の相談で1回分得られるため、約4週間の期間で2回相談するだけで事足ります。
真面目に求人紹介して貰う方法以外にも、求人票の気になった点に疑問をぶつけたり、簡単に自己分析を受けたりするなど、簡単な内容の質問でも問題ありません。
特に短時間で済ませたい場合は、なるべく簡単に済む内容の相談を用意するのがおすすめです。ただしあまりにも自分で解決できそうな内容は避けるべきです。
細かな質問・相談内容については「求職活動実績は職業相談だけで作れる」の記事に纏めてあります。
求職活動実績④:ハローワークや公的機関が行う各種講習・セミナーの受講
次がハローワークや公的機関が開催するセミナーです。
毎月数回~10回前後、外部の専門家を招いてキャリア関係の講座が開かれており、1度の受講で1回分が貰えます。
例えば横浜のハローワークだと「ハローワーク横浜の公式HP」から月に開催されるセミナーを確認することが可能です。
セミナーは予約が必要なものや人気のあるものなど色々です。
加えて座って講義を受けるもの以外にも、履歴書など応募書類の添削や面接の練習のような実践的な講座もあります。
ちなみに費用が無料の点も気軽さを感じやすいです。
求職実績はセミナーのみで済ませることも可能
また2回のセミナーのみで求職活動実績の条件を満たす方法もあります。
セミナーも1回参加すれば1回分貰えることから、2回の受講で十分な数になるためです。
セミナーの中には30分程度DVDを見る簡単な講座もあります。特にあまり積極的に動きたくない場合は、出席だけで済みそうなセミナーを見つけるのがおすすめです。
また近年ではオンラインセミナーを受講するだけで実績を得ることもできるので「求職活動実績はセミナーのみで貰える」の記事を参考下さいね。
求職活動実績⑤:民間機関が行う職業相談・職業紹介
次は民間機関が行う職業相談・職業紹介です。
民間機関とは、電車や駅の広告でよく見かける転職エージェントが該当します。
ハローワークと転職エージェントの違いは下記の表の通りです。基本的に大きな違いはないものの、エージェントの方がより直近のノウハウを蓄積しています。
そのため、ハローワークと転職エージェントは併用して使うのがおすすめです。
転職エージェント | ハローワーク | 転職サイト | |
---|---|---|---|
転職成功率 | |||
アドバイス | |||
求人数 | |||
書類・面接対策 | |||
日程調整 | |||
特徴 | 担当とのやりとりが必要だが、効率的に就職可能 | 地元に就職する場合、豊富な求人数がある | 一人でゆっくり就職活動する場合おすすめ |
基本的に転職エージェントや転職サイトは大手の機関がおすすめです。理由としてはシンプルに求人数が多く、内定獲得率が高いから。
おすすめの大手転職エージェント・転職サイトを本記事では2種類紹介します。
転職エージェントのおすすめ:doda
1つ目はdodaです。本気で再就職したい場合、エージェントの利用はもはや必須と言えます。
- 求人数が10万件以上と多く、求人の探し漏れを防ぐことができる
- 転職支援実績がトップクラス。過去の成功ノウハウを元に、実践的な指導を受けられる
- 面接対策セミナーや書類添削のセミナーが豊富に存在
dodaは10万件以上の求人数を持ち、業界の実績がトップクラスの転職エージェントです。
過去のノウハウを元に実践的なアドバイスをしてくれるので、自分が不安に感じている点を確実に解決していくことができます。
なお利用において料金はかかりません。無料で利用できますので、積極的に利用することで内定へと近づくことができますよ。
転職サイトのおすすめ:リクナビNEXT
2つ目は「リクナビNEXT」です。自分で情報収集し、ゆっくり転職活動したい方におすすめです。
- 業界トップクラスの公開求人数
- 企業から求人オファーを貰えることもある
- スマホアプリでかんたんに求人検索・応募ができる
- グッドポイント診断で自己分析も可能
転職エージェントと比較すると、担当とのやり取りが不要なので、自由度が高い状態で就職活動できます。
一方で就職のアドバイスや日程調整などはありません。
ちなみに私が過去再就職を果たした際は、リクナビNEXTからでした。アプリの操作性が高く、空き時間に求人検索ができますよ。
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求職活動実績⑥:民間機関が行うセミナーや転職フェアの参加
セミナーに関しては転職エージェントなど民間のキャリア企業で開催されるものも対象です。キャリア企業でも登録者のキャリア支援を目的に多くのセミナーが行われています。
1度の参加で1回分が貰える仕組みです。例えば大手エージェントのdodaなどが定期的にセミナーを開催しています。
オンラインでも開催されていますので、外に出なくとも自宅で実績を作ることが可能です。
求職活動実績⑦:再就職に資する各種国家試験・検定などの資格試験の受験
最後に資格の受験もおすすめです。1度の受験で1回分が貰え、実際の仕事に関係するものであれば国家・民間問わず対象になります。
ただし趣味関係の資格は対象外になるため、避けるべきです。ちなみに不合格でも貰える対象です。加えて証明の際は受験票が役立ちます。
資格試験は実績になるものの、計画的に実績に入れ込むのは難しいので、早めに対策することが必要です。
【誤解注意】求職活動実績として認められないもの3選
ハローワークの失業保険受給における求職活動実績の作り方について解説しましたが、実際に求職活動実績として認められないものがあります。
よく勘違いされる3つの項目は下記の通りです。
- ハローワークや新聞・求人情報を閲覧した
- 求人があるかどうか電話で確認した
- 派遣の会社や外部機関に登録した
基本的に「見た・探した」という内容では実績になりませんので注意しましょう。また求人の有無を電話確認するだけも実績にはなりません。
加えて派遣の会社や外部機関に登録するというのも実績になりません。しかし実際に会社に赴き面談したという内容であれば、実績となります。
求職活動実績を実際に作る際の3つの注意点
次に求職活動実績を実際に作る際の3つの注意点について解説します。
失業認定申告書に嘘を書かない
まず失業認定申告書に嘘を書かないようにしましょう。
認定日に提出する書類に失業認定申告書があるという話をしましたよね。この失業認定申告書に求職活動の実績を書き込んで、提出する形で実績が認められます。
しかしこの失業認定申告書に嘘を書くのは辞めましょう。バレると失業保険の受給が停止になるだけではなく、倍の額ペナルティとして払わなければならない場合もあります。
ハローワークは実際に求人応募したのかどうか、書類応募したのかどうかを会社に抜き打ちで確認する場合があるので、リスクのある行動は避けるようにしましょう。
セミナーはなるべく早めに決める
セミナーで実績を得る場合、なるべく早めに受講するものを選ぶべきです。
セミナーによっては事前予約制になっているものもある上、人気のあるものは申し込みが早い段階で終わります。
特に認定日が近くに迫っている場合は、あまり決断に時間を掛けない方が無難です。
早く決断する分、セミナーで実績を得られる可能性が高くなります。
勉強する資格は仕事で役立つものを選ぶ
資格受験や勉強で実績を得たい場合、仕事で役立つものを選ぶべきです。あくまでも実際の職業で役立つことが実績として認められる前提となっています。
例えば介護関係の資格であれば仕事の中で役立つため実績になります。しかし趣味や遊び関係の資格など仕事に結びつきにくいものは認められません。
受験や勉強する資格を選ぶ際は、実際に仕事に役立つのかを見極める必要があります。
まとめ
以上、求職活動の流れから、実績の作り方について解説しました。
基本的に就職・転職活動を続けていれば実績に困ることはありません。失業保険を受給する前に内定をいただいても、再就職手当が支給されますのである程度のお金は受け取ることが可能です。
しかし実際問題様々な理由から少し失業保険を受け取りながら「ゆっくりしたい」「休みたい」と感じているがいるのも事実。
そんな方はセミナーや職業相談を駆使して、ゆっくり求職活動していくことを推奨します。