最近「NFT」というワードを耳にする機会が多いですよね。NFTと言えばアートや写真などをイメージする方もいるでしょう。
実際NFT動画が高額で取引されたケースもあるため、今後に備えて知っておきたい方もいるでしょう。
そこで本記事では、NFT動画の特徴や始め方・販売方法について解説していきます。
NFT動画とは
NFT動画とは、NFT(Non-Fugible Token=非代替トークン)の要素が盛り込まれた動画です。
コピーなどによって複製ができないため、唯一性を持った動画として扱われます。
作成の方法もYouTubeにアップされるものと同じく、スマホや動画編集ソフトなどを使って撮影・編集するだけです。
あとはNFTを扱うマーケットプレイスに投稿すれば取引を通じて利益化に繋げられます。
NFT動画が持つ3つの特徴
NFT動画を扱う際、基本的な特徴はぜひ知っておきたいですよね。主な特徴が以下の3点です。
YouTubeなど仲介サービスなしで出品・販売できる
まずNFT動画はYouTubeなどの仲介サービスなしで出品や販売ができます。
仲介サービスを利用する場合、自由に投稿できる代わりに、配信の条件や仲介料の支払いを求められることが一般的です。
しかしNFT動画の場合は仲介サービスを経由しないで取引できるのが魅力です。
仲介料などを気にせずに投稿できるため、クリエイター側の動画製作に対する意欲も増します。
販売の価格・方法を自由に決められる
また販売時の価格や方法を自由に決められる点も特徴です。
仲介サービスを利用した場合、一定の登録者数や再生回数を超えなければ収益化できません。
出品時に価格を決められるため、欲しい利益を得るハードルが低くなります。
販売方法についても購入時の価格で売り出すほか、オークション方式を採用できる点もメリットです。
オークション方式では想定以上の大きな利益を得られる可能性もあります。
動画が転売された際はロイヤリティ収入が期待できる
次に、購入者が動画を転売した場合に、ロイヤリティ収入が期待できる点も魅力です。
しかしNFT動画はブロックチェーン技術によって、作成者が記録されています。
そのため、下記の図のように、1次制作者にロイテリティ(手数料)が発生する仕組みになっています。
出品する際もロイヤリティの割合も自由に設定可能です。
設定した割合に応じて転売のたびにロイヤリティ収入が見込めるため、新しい収入の柱を作り出せるでしょう。
NFT動画は売れる!実際に高額販売された3つのケース
NFT動画を通じて利益を得られると言われても、なかなか実感が湧かない方もいますよね。
実はNFT動画には高く取引されたケースもあります。特に代表的な事例が以下の3つです。
幼い兄弟を映したホーム動画
まず幼い兄弟を移したホーム映画が知られています。タイトルは「Charlie Bit My Finger」で、赤ちゃんのチャーリーがお兄ちゃんの指を嚙んでいる内容です。
Remember that "Charlie Bit My Finger" video?
— The Hustle (@TheHustle) May 25, 2021
It sold for $761k as an NFT.
Wild times. pic.twitter.com/L41Ei5KBos
一見日常的に見られる家族のワンシーンを映しており、動画の長さも1分程度のものにすぎません。
しかしYouTubeで投稿したところ、9億回近く再生されるほどの人気が出ました。
加えてNFTマーケットプレイスに出品されると、ドバイのスタジオが8,000万円で落札しました。
せきぐちあいみ氏製作の動画
次にご紹介するのが日本人VRアーティストのせきぐちあいみ氏の動画作品です。せきぐち氏はVRアーティストとして世界的に知られています。
製作した動画の1つをNFT化して出品したところ、1,300万円で落札されました。
NFT化した動画が1本だけで、彼女の作品最初のNFT動画でもあったことが高額取引のきっかけでした。
映画『ZERO CONTACT』
イギリス出身の俳優アンソニー・ホプキンス氏主演の『ZERO CONTACT』も有名な例として話題です。
映画撮影の際、監督が17ヶ国でリモート撮影したことやNFTによる配給を行ったことでも知られています。
特にNFTマーケットプレイス経由での配給は、チケット特典などの付いたオークション開催されています。
NFT動画の作り方
NFT動画が売れた事例を見て、自分で実際に作って出品したい方もいますよね。
実はNFT動画の作り方は、基本的にYouTube動画などと変わりません。
スマホなどで撮った動画を動画編集ソフトで編集し、NFTマーケットプレイスに投稿するだけです。特に売れる作品を作る場合、動画編集ソフトはなおさら欠かせません。
以下におすすめの動画編集ソフトを解説した記事もご紹介しますので、活用していただければ幸いです。
NFTの動画販売のやり方・始め方を5つのステップで解説
NFT動画を作って販売する際、事前に何を準備すれば良いのかや出品するまでの手順が気になりますよね。
出品するには以下5つの手順で進めます。
仮想通貨取引所で口座を開設
まず仮想通貨取引所で口座を開設しましょう。NFT動画の取引は仮想通貨を使って行うためです。
事前に取引所の口座を用意すれば、動画が売れた時の利益を貯めておけます。
仮想通貨取引所でも特におすすめなのが「コインチェック」。コインチェックは日本で最も知名度や評判が高く、初心者にとっても使い勝手が良いことで知られています。
コインチェックで口座を開く手順は以下を参照してください。
コインチェックの口座開設方法(タップで閉じます)
Coincheck(コインチェック)の口座開設を解説します。
まずは「コインチェックの公式サイト」に飛び「会員登録」をクリックします。
\ 国内ダウンロード数No.1* /
※ 対象:国内の暗号資産取引アプリ 期間:2019年1月~2023年12月 データ協力:App Tweak
次に下の画面の赤枠部分を入力します。「メールアドレス」「パスワード」をそれぞれ設定し、「私はロボットではありません」の部分にチェックを入れ「会員登録」を押して進みましょう。
会員登録ボタンを押すと、先ほど入力したメールアドレスにメールが送られてきます。メール内のURLをクリックすると、下記のページに遷移します。
次に本人確認を実施します。全てWEBで完結しますので、そんなに時間はかかりません。
下記の赤枠の「本人確認書類を提出する」をクリック。
クリックすると下記画面に移行します。自身の受信できる電話番号を入力し、電話番号にSMSで送られてくるコードを入力しましょう。
認証コードが受理されれば電話番号登録は完了です。
次にまだ本人確認が終わっていないので、再度「本人確認書類を提出する」をクリックします。
クリックすると先ほどとは違うページに遷移します。次に提出するのは本人確認書類で、アプリを使って申請していきます。
上記の「アプリのQRコードを表示」を選択すればQRが表示されますので、アプリで開き、順次進めていけば登録は終了です。
なお、本人確認書類は下記の書類が該当しますので、必要なものを準備しておいて下さいね。
- 運転免許証
- パスポート・在留カード
- 特別永住者証明書
- 運転経歴証明書
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード
MetaMaskなどのウォレットを作成する
続けてMetaMask(メタマスク)などのウォレットを作成しましょう。
ウォレットとは、仮想通貨やNFTの取引や出し入れなどに使われるアプリです。
中でもMetaMaskは世界的に多く使われます。Google Chromeの拡張機能を使うだけなので非常にかんたんです。
詳しい作成方法は以下をご覧ください。
まずはGoogleが提供しているWebブラウザの1つであるChromeを開き、メタマスクの公式HPに移動します。
下記のページに移行したら、赤枠部分の「拡張機能を追加」をクリック。
追加すると、Chromeの右上の画面からメタマスクが開けるようになります。次にメタマスクを選択し「開始(Get Started)」をクリックしましょう。
メタマスクの「開始」をクリックすると、下記画面の「MetaMaskが初めての場合」というページに移動しますので、右側の「ウォレットの作成(Create a Wallet)」をクリックします。
ウォレットの作成をクリックすると、下記のような「MetaMaskの品質向上へのご協力のお願い」というページに進みます。
ここは内容を軽く確認し「同意します(I agree)」をクリックして次に進みます。
同意を選択すると、パスワード設定に移行します。下記画像の「新しいパスワード」の部分にメタマスクで扱うパスワードを自身で考えて設定しましょう。
入力後「パスワードの確認」で同じパスワードを入力し「使用条件を読んで同意しました」にチェックして「作成」をクリックします。
パスワード設定が完了したら、次は「秘密のバックアップフレーズ」の保存・入力を行います。下記画像の赤枠の部分をクリックすると英単語が12種類表示されます。
これらを後で入力する必要があるので、12種類の単語と順番をコピペして保存しておきましょう。保存が完了したら「次へ」をクリックします。
秘密のバックアップフレーズを保存したら、実際にコピーした12種類の英単語を入力していきます。
秘密のバックアップフレーズの入力に成功すると下記のように「おめでとうございます」という画面に移行します。
最後に「全て完了」というボタンを押せば設定完了です。
再度言いますが、メタマスクは「パスワード」と「秘密のバックアップフレーズ」を保存しておく必要がありますので、しっかり保存しておいてくださいね。
仮想通貨を購入して入金する
ウォレットまで作成したら、早速イーサリアムなどの銘柄を購入します。
数ある仮想通貨銘柄の中でも、特にイーサリアムは多くのマーケットプレイスで使われるものです。
購入量を入力した後、必要な手数料を確認して購入ボタンを押せば入手完了です。
ウォレットに入金する方法(タップで閉じます)
ここではコインチェックで暗号資産を購入し、取引所からウォレットに入金する方法を解説していきます。
ますはコインチェックのホーム画面を開き「販売所(購入)」をクリックします。
クリックすると販売所(購入)のページに移動します。基本的に取引所で暗号資産を購入する時はこのページに移動するので、覚えておきましょう。
今回はイーサリアム(ETH)を購入するので、「ETH」を選択し「購入する」をクリックします。
これで暗号資産の購入は完了です。次に実際に購入した通過をウォレットに送金していきます。
再度コインチェックのホーム画面を開き、下記画面の青枠の「暗号資産の送金」をクリック。
クリックすると実際に送金する画面に移動します。送金リストに宛先を追加し「送金する」ボタンを押せば完了です。
送金リストの追加については下記の画像を参考にして下さい。新規ラベルには自身が分かりやすいような名前を、新規宛先には先ほど登録したメタマスクのアカウント名をコピペします。
拡張機能のメタマスクを開き、画面上部のアカウント名の部分を貼り付ければ送金先リストの作成は完了です。
これで「送金する」をクリックすれば送金は完了になります。
OpenSeaなどNFTマーケットプレイスに登録する
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスの利用登録も行います。
登録の方法も、各マーケットプレイスで名前やメールアドレスなどを入力するだけと簡単です。
利用登録が終わったらウォレットをマーケットプレイスに連携します。ウォレットの連携によって、本格的にマーケットプレイスでの取引ができる仕組みです。
OpenSeaなどで動画をNFT化・出品する
NFTマーケットプレイスでの登録が終わったら、早速動画をNFT化しましょう。
予め作成した動画をマーケットプレイス内にアップするだけで完了です。
NFT化が済んだら、実際に値段を付けて出品します。出品の際はロイヤリティの割合や販売方法も決められるため、好きな割合や方法を選ぶと良いでしょう。
NFTの動画販売におすすめの4つのマーケットプレイス
NFTで動画を販売する際、マーケットプレイス選びは重要な要素です。特におすすめのサービスに以下の4つがあります。
OpenSea
OpenSeaは世界最大級のNFTマーケットプレイスです。
日本語にも対応しているため、NFT初心者の日本人でも比較的簡単に操作・出品できます。
著名人をはじめ非常に多くのユーザーがいるため、取引のチャンスも豊富です。また手持ちの動画をNFT化できるため、販売を始める上でもうってつけでしょう。
Rarible
Rarible(ラリブル)も世界的に有名なNFTマーケットプレイスの1つです。
NFTの動画以外にも、アート・写真・音楽なども扱っています。
比較的手数料の安い銘柄でも取引できるため、コスト削減でも役に立ちます。
Foundation
Foundation(ファウンデーション)はOpenSeaやRaribleほど知名度はありません。
しかしNFT動画で利益を上げたい場合におすすめのマーケットプレイスに数えられます。
NFT動画をアップして価値を認められれば、比較的高値で売れるチャンスもあるでしょう。
Adam byGMO
Adam byGMOは国内の代表的なマーケットプレイスです。
Adam byGMOではクレジットカードや日本円でも決済できます。
仮想通貨をわざわざ購入する手間も省けるため、NFT動画を販売した時点で日本円で利益を得られるのも嬉しい点です。
NFTの動画販売に関する4つの注意点
NFTで動画販売する際は、注意すべき点もいくつかあります。主に以下の4点です。
販売する際にある程度の初期費用が必要
まず販売する際、ある程度の初期費用が必要です。
NFT動画を販売する上で必要な費用として、仮想通貨の購入費用と出品時の手数料(ガス代)が挙げられます。
特にイーサリアムを扱う場合、近年の需要の高さから手数料が高めである点は注意すべきです。
資金面である程度余裕を持って動画販売を始めましょう。
絶対に儲かるわけではない
またNFT動画を販売しても、必ず儲かるわけではありません。
加えて昨今のNFTブームで、多くの人がNFT動画の世界に参入しています。中にはプロのアーティストもいるため、いきなり大きな儲けを狙うのはハードルも高いでしょう。
NFT動画で儲けるには長期的に動画を作って売り出していくことも必要です。
詐欺やハッキングのリスクもある
NFTによる動画販売でも詐欺やハッキングのリスクもあります。
NFT自体の注目度が増していて参画する人が増えている分、悪い目的を持った人も少なくありません。
楽に稼げる方法やうまい儲け話を持ち掛けてくる人がいる場合は特に危険です。
騙せそうな人からお金を搾り取ったりNFT動画を不当に盗み出そうとしたりする人もいるため、注意しましょう。
動画販売で出た利益は税金が掛かる場合もある
うまく動画販売で利益を出せた場合、税金が掛かるケースがあります。
NFT動画で得られた利益は雑所得とされ、20万円を超える場合は所得税の課税対象です。
特に大きな利益が出た場合は確定申告も必要になります。申告漏れでも追徴課税されるため、高く売れた場合は注意すべきです。
まとめ
NFTの動画販売について色々と見てきました。
NFT動画を販売する方法は簡単で、マーケットプレイスでNFT動画を作って出品するだけで準備が整います。
仮想通貨やウォレットも必要になるため、事前に用意しておきましょう。
今回は動画販売について解説しましたが、その他にも「NFTアート」「NFT音楽」「NFT写真」などがあります。
気になる方は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。